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地元でとれた美味しいお米を原料に添加物や防腐剤の含まれていない餅を作っている人たちがいます。「家庭と仕事の両立ができるよう、自分の作ったご飯を食べて、健康で暮らしていきたい」と話しています。
木山 美佐子さん
宝川みさこ餅会
宝川みさこ餅会発足のきっかけについて。
「嫁いだ先が農家だったので私も農作業を手伝っていたのですが、やがてサラリーマンの主人の仕事が忙しくなると、私がメインで農業に携わることに。そんな中、当時質より量という農業のスタイルに行き詰まりを感じ、このままではいけない、農業の新しいスタイルを見出さなければ先ぼそりになってしまう、と感じ始めました。ちょうどその頃、義父のがんが発見されたこともあり、健康には人一倍気を使うようになりました。スーパーなどで販売している加工品に含まれているのは添加物だらけという現実を知り、それなら私が、添加物や防腐剤の含まれていない加工品を手がけてみようかと考えたのです。この辺り(下北手)はお米がとても美味しい地域ですので、せっかくならそのお米を使った加工品を、と思っていました。そこでお餅はどうだろうか、と考え、まずは建物を、加工所を作らなければ始まりませんから、建物だけ先に作っていると、私も混ぜてと近所の方が声をかけてくれたりして。その時、まだ詳しい事業案はまとまっていなかったので、それから、お米は何の品種を使うのか、どのくらいの量を使うのか、といった具体的な部分を追求し始めました。 お餅に使うお米については、何種類も試しました。お米は良くても、私の作るお餅には合わなかったり…。『これ!』というのに出会うまでには長い道のりだったようにも思います。今は『ヒメノモチ』と『こがねモチ』の2種類の品種を使っています。ですが品種は固定しているわけではなく、また良いものに出会えたらどんどん積極的に取り入れていきたいと思っているんですよ」。
活動について。
「最初は私も事業の初心者でしたので、手探りで進めていきました。まずは『みさこ餅』を知ってもらおうと、直産活動をしているJA女性部に入会しました。そこに『みさこ餅』を置けば商品を知ってもらえると思いました。野菜も、自分たちで産直を運営すると、需要と供給のバランスが見えてくるんです。何が足りなくて、何をもっと出したら喜ばれるか。それで、足りないものを作付けして収穫して販売する、というような形もとりました。活動を始めてからしばらくして、私たちの活動に興味をもってくれたスーパーの方が、ぜひ手を組みませんか、と言ってくださいました。スーパーの中に産直コーナーを作りたいのですが、と。私たちとしても、月に数回の産直だけではなく、毎日出荷できる場所を探していたので、とてもありがたいお話でした。そんな経緯で、スーパーの産直を手掛け、地域の農家の方々の販路拡大にも微力ながら貢献してきました」。
従業員について。
「今回頂いた表彰は男女共同参画功労者としてですが、うちは女性の多い職場ですので、家庭と仕事の両立ができるよう、臨機応変な働き方を実践しています。仕事の特性上、朝早くから仕事が始まりますが、それも各家庭の都合に合わせてもらっています。お休みなんかも同じです。仕事は覚えるのに一年くらいかかりますが、指導係がついて、根気強く教えます。厨房の仕事というのは、女性に向いている仕事だと思うんです。最初は手さぐりでも、そのうち段々とコツを掴んできてどんどん仕事が早くなりますよ」。
今後について。
「スタッフへの指導、事業などは大分軌道に乗ってきました。後は、困難な壁に当たった時にどのように越えるか、その方法を見つけるのが課題です。あとは自分を働かせる方法。長く働くためには健康でなければなりません。スタッフにも言っていますが、仕事をしながらも、ちゃんと家族にご飯を作って、自分の作ったご飯を食べて、健康で暮らしていきたいものですね」。
略歴
昭和26年秋田県生まれ
昭和44年に東京で就職し、同48年に秋田に戻り結婚。
平成元年に「宝川みさこ餅会」を立ち上げ、以来代表を務める。
平成28年に男女共同参画社会づくり功労者として内閣総理大臣表彰を受章。