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貧困などの理由により困難な状況にある人を支えようと、幅広い活動を展開している人たちがいます。「誰もが心豊かに暮らせる社会の創出を目指しています」と話しています。
保坂 ひろみさん
NPO法人秋田たすけあいネット あゆむ
支援を必要とする方々と「ともに歩む」NPO法人秋田たすけあいネット あゆむ
秋田市を拠点とする「NPO法人秋田たすけあいネット あゆむ」が、貧困などの理由により困難な状況にある人を支えようと、幅広い活動を展開している。企業や個人から規格外食品などの寄付を受け、家庭や福祉施設などに届ける「フードバンク活動」や、学生服のリユース、無償の学習塾運営のほか、単身の高齢者のサポートなども行っている。
>NPO法人を立ち上げたきっかけを教えてください。
「これまではカルテット2015年に『フードバンク秋田』を立ち上げて活動をするなかで、食料支援だけでは困窮した状況から脱出できないような状況に多く直面しました。そうした状況を解決をするためにはどうすればいいのかを考えて、より多くの方に、より幅広い支援の手を差し伸べられる団体を立ち上げようと思ったのがきっかけです。法人名は、どんな方でも私たちの活動が思い浮かぶように、わかりやすく『たすけあいネットあゆむ』としました。
振り返ると、3年前が節目でした。『体が動くのはあと10年。だとすると、私にできることはなにか』と思ったちょうどそのとき、テレビで『NPO法人フードバンク山梨』の活動を見て『これだ』と。そこで決意して、友人たちに協力を求めたことが、すべての始まりです。以前、病院で給食関係の仕事をしていた経験があったこと、専門的な福祉事業の立ち上げは難しかったことなども要因ですね」。
>NPO法人の活動内容は。
「『フードバンク事業』、子育て世代の経済的な負担を減らす『無償の学習塾事業』と『制服・学生服リユースバンク事業』、高齢者向けの『一人親世帯・高齢者サポート事業』と『自動車免許返納サポート事業』、身寄りのない方の身元保証を行う『家族代行支援事業』の6事業が大きな柱です。誰もが心豊かに暮らせる社会の創出を目指していきます」。
>無償の学習塾の運営について。
「毎週土曜日、小学校5年生から高校1年生が学んでいます。当初は中学3年生までを対象としていたのですが、この春に中学を卒業して高校に進学したある生徒が、『この塾に来て新たな目標ができたので、続けて学ばせてほしい』と言ってきたんです。その生徒に許可を出したところ、他の3人からも同じ声が上がって、今は高校1年生が4人です。事務所を学習室にしているため、生徒の受け入れ数は10人が限度だったところ、今年度は12人に増えました。さらに講師数も3人増えて12人となり、ほぼマンツーマン体制で手狭になっていたんですね。すると、秋田南ロータリークラブでの講演をきっかけに、『山王のホテルの一室を学習室に提供します』と言っていただきました。
フードバンクや制服リユースなども含めて、私たちNPO法人の活動はそうした方々の善意によって成り立っているので、ありがたいです。無償で教えていただいている講師の方々の年齢層は大学生から89歳の方まで幅広く、生徒たちには大人と交流するいい機会にもなっています」。
>今後の展望は。
「フードバンクを行う拠点は、各市町村に1つずつあるのが理想だと思っています。地域の人を、その地域が支える形ですね。秋田市以外で、フードバンク活動をやってみたいという方には、ノウハウなどを惜しみなくご提供します。
今後については、現状の6つの事業を継続して行うことに加えて、経済的に苦しい状況にある高校生向けに、働く場所づくりなども想定しているところです。
私たちの活動は幅広い世代を対象としています。若者の県外流出が課題になるなかで、地元の団体から支援を受けることで、若い世代が地元に愛着を感じて、いずれは地元に帰ってくるきっかけにもなればいいですね」。
略歴
1965年生まれ。秋田市在住。自営業のかたわら、2015年にフードバンク活動を開始。より多くの人に幅広い支援を提供しようと、2016年7月に「NPO法人秋田たすけあいネット あゆむ」を立ち上げる。
(http://blog.goo.ne.jp/akitatasukeai)