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交通事故や病気などで親を亡くした子どもの学業を支援する活動をしている人たちがいます。「募金のことだけではなく、若い世代を支援する仕組みがあることを多くの人に知っていただきたいです」と話しています。
田口 咲月さん
あしなが学生募金事務局 秋田県代表
交通事故や病気などで親を亡くした子どもの
学業を支援する「あしなが学生募金」
>あしなが学生募金とは。
「1969年、交通遺児の支援のために始まった募金運動です。1970年には、秋田大学の学園祭で全国39大学が集まり募金を実施。このことが、現在の学生募金の基礎になりました。
その後は約50年の歴史の中で支援の対象を広げ、現在では災害や病気、自死などで親を亡くしたり、親が重い障害を持っている子どもに加え、2016年秋以降はアフリカの遺児にも支援を行っています。
街頭募金などを通じて寄付いただいた募金は『あしなが育英会』に寄付し、国内の遺児やアフリカ遺児高等教育支援の奨学金として活用されています」。
>募金活動に加わった経緯は。
「私は父を亡くし、母と姉、弟の3人姉弟で生活していました。高校卒業後、大学に進学するつもりはあまりなく『このまま就職かな、でも美術も続けたいな』と考えていたところに、お世話になった先生や母があしなが育英会について教えてくれたことで、奨学生として秋田公立美術大学に進学できました。その一方で、私自身は奨学金を借りていながら、どのような形で同会に支援をしていただいているのか、根本のところを全然知らない状態でした。
ちょうど昨年の夏、同会が岩手山で開いた合宿形式のイベント『高校奨学生のつどい』に初めて参加して、東日本大震災の遺児たちと交流しました。そこで、顔の知らない『あしながさん』にお金を借りているということを初めて知り興味が生まれ、積極的に募金活動に加わろうと思いました。同会によるアフリカ遺児への支援方法に共感したことも、要因のひとつです」。
>秋田県代表の役割は。
「各県の代表が集まる会合に出席して、募金額や募金活動のPR方法といった情報を持ち寄り共有します。その内容を東北エリアに持ち帰り、各県で必要なことを提案しなければなりません。そのほか募金活動実施の告知や報道依頼、高校生や中学生の皆さんに募金活動ボランティアの参加依頼などを行います。1年間を通じて常に忙しいわけではありませんが、毎年春と秋の募金活動では仕事が多くなりますね。
毎年、大学2年生が代表に就任して、上級生がサポートする形になっているのですが、県内の事務局スタッフは私を含め3人で、そのうち1人は就職活動で忙しく、1人はベトナムに留学中のため、私が1人で動く必要があります。事務局スタッフが増えれば、県内各地で募金活動ができるので、仲間が増えてくれると嬉しいですね」。
>街頭での募金活動について。
「秋田市での募金活動は、主にJR秋田駅の改札や『ぽぽろーど』で行っています。私はこれまで2回、事務局スタッフとして募金活動を行いました。実際に街頭に立つ前は、募金活動に対して肯定的な方と、厳しい意見を持っている方が両方いることを知っていたので辛い部分もありました。それでも始めてみると、秋田の皆さんは優しい人が多く、寄付と同時に『頑張ってください』と声をかけていただいたんですね。そのことで、私たちはこうした方々に支えていただいているんだと実感すると同時に、ありがたいなと思いました」。
>募金活動で呼び掛けたいことは。
「事務局スタッフには『募金をする気持ちも大事だけど、金額も大事』という人もいれば、『金額は重要ではなく、募金をする気持ちが大事』という人もいます。私自身は気持ちを伝えたいと思っているので、『皆さんのおかげで大学に行くことができました』とお伝えした上で、『私自身が経験してきたことを踏まえると、募金額はまだまだ足りない状況です』と伝えています。私の話に共感してくれて、寄付いただく方もいます。
県内にはあしなが育英会の存在を知らない方も多いと思います。募金のことだけではなく、若い世代を支援する仕組みがあることを多くの人に知っていただきたいですね」。
プロフィール
1996年、大仙市生まれ。秋田公立美術大学附属高校3年時、あしなが育英会の奨学金を受けて同大美術学科に進学。2016年、あしなが学生募金事務局秋田県代表に就任。
※今年度は秋に募金活動を実施予定。募金は同会のホームページでも受け付けている。
■あしなが学生募金事務局
http://www.ashinaga-gakuseibokin.org/