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公民館を会場に、中高生を対象とした学習支援事業を行っている人がいます。
「来てくれる生徒たちが、勉強だけでなく、自分の生き方や将来についても考える場にしたい」と話しています。
鈴木 公貴さん
寺子屋てんのう
「寺子屋てんのう」の様子
潟上市の天王公民館で、ボランティアの学習支援事業「寺子屋てんのう」を主催している鈴木公貴さん(秋田大学4年生)にお話をうかがいました。
>学習支援事業をやってみようと考えたきっかけは何ですか。
まず、自身の経験から、学校以外のところで自由に学習ができる場所や環境があればいいと感じていました。特に夕方以降に、気軽に勉強できる場所が必要だと考えていました。
また、フォトジャーナリストの高橋智史さん(※)の学生向けツアーに参加し、カンボジアに行く機会がありました。NGOの支援を受けて、困難な環境の中でも熱心に学んでいる子どもたちに出会ったことで、教育を通じて子どもの可能性や選択肢を広げられるということを実感しました。
そこから、自分から何か行動を起こさないと変わらないという思いを強くし、大学生という立場で地域の子どものためにできることは何かを考え、中学生や高校生に勉強を教えることを思い立ちました。
そこで地元の公民館を拠点にするというアイデアを思いつき、社会教育や公民館の研究をしている大学の先生に相談したところ、天王公民館の館長に紹介してもらいました。館長も自分の思いをくみ取ってくださり、昨年(平成28年)1月から、「寺子屋てんのう」ということでスタートしています。
(※高橋智史氏は秋田市出身のフォトジャーナリストで、カンボジアを拠点に活動中)
>今の活動や、力を入れていることを教えてください。
月に4回、天王公民館で勉強を教えています。参加する生徒も多くなってきて、30人以上が登録し、毎回20~25人ほどが出席しています。
昨年は自分以外に何人か手伝ってくれる学生がいたのですが、4年生ということでなかなか忙しく、今年は自分一人でやっていました。学年も学ぶ内容も違う生徒を一人で見るのは大変なのですが、最近になって手伝ってくれる学生が出てきたので、これから輪を広げていきたいと思います。
また、「寺子屋てんのう」に来る生徒は中学生が多いのですが、高校生も来ています。高校生には、自分の勉強以外の体験もできる場になればいいと考えています。
そこで、今来ている生徒の中に教員志望の高校生がいることから、中学生に教える体験もしてもらっています。こうした体験から、教えることに自信をもち、自分の進路を考えるきっかけになってほしいと思っています。
自分自身もまだ学生という立場ですが、生徒達にいろいろな形で声をかけています。勉強だけでなく、自分の生き方や将来についても考えられるような場にしたいと考えています。
>今後の抱負について教えてください。
自分は大学院に進学する予定なので、もう2年はこの活動を続けられると思いますが、その後のことも考えると、地域の中で持続可能な仕組みを作っていかなければならないと考えています。
今来ている生徒が高校生や大学生になった時、関わってくれるように働きかけることも含めて、将来的にも天王に定着させていきたいと思います。
また、秋田県の現状を考えると、学校だけでなく、地域ぐるみで子どもの学習を支えるのが理想だと思うので、「寺子屋てんのう」がそのひとつの形を示せればいいと思います。
そして、来てくれる生徒は、みんな目的もニーズも違うので、それをできるだけ整理しながら、みんなが気持ちよく勉強し、過ごせる場を作っていきたいです。