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関わり合いになる皆さんの能力を生かし、時には支え合いながら、いきいきと暮らせる秋田を目指して活動している人たちがいます。「これからも課題と向き合って活動を続けていきます」と力強く話しています。
佐藤 加代子さん
「NPO法人いきいきFネット秋田」
>NPO法人の概要について。
「秋田県内の男女共同参画を進めようと、2007年10月に『NPO法人いきいきFネット秋田』を設立しました。法人名の『F』には、私たちが目指すさまざまな要素が凝縮されています。『Fifty Fifty(五分五分の、半分の)』『Frank(率直な)』『Future(未来、前途)」「Free(自由な、自発的な)』『Friendly(親しい、親切な)』「Feminism(男女平等主義)』『Facilitate(誘導する、手助けする)』。これらFで始まる言葉に込められた思いを尊重して、時には関わり合いになる皆さんの能力を生かし、時には支え合いながら、いきいきと暮らせる秋田を目指して活動しています」。
>これまでの活動は。
「2009年4月に『秋田県中央男女共同参画センター』の指定管理を受諾し、現在2期目に入っております。当NPO法人は同センター運営を通じて、情報の収集と提供、調査研究、相談などに取り組んできました。具体的には男女共同参画講座やセクハラ防止講座、コミュニケーション講座、DV(ドメスティックバイオレンス)に関する講座・相談、子どもへの虐待防止講座など多岐にわたります。
その中のひとつ『これでいいのか劇場』と名付けた寸劇シリーズでは、例えば妻が旅行に行こうにも夫が許さないなど、日常生活のなかで女性が軽視されるありがちな場面を描いて問題意識を提起しています。その劇を見た女性が『そういうことあるよね』とか『ガマンしていることもあるわね』などの本音が引き出せたときは、この活動をしてきて良かったと思います」。
>鈴木秀子さんの講演について。
「当NPO法人設立10周年を記念するイベントとして、鈴木秀子さんを講師にお招きします。鈴木さんは東京大学人文科学研究科の博士課程修了された文学博士で、フランスやイタリアに留学され、ハワイ大学やスタンフォード大学で教鞭を執った経験もお持ちです。国内外からの要望に応えて『人生の意味』を聴講者とともに考える講演会やワークショップを開いて多くの方の悩みや苦しみに耳を傾け、さまざまな指導に当たられてきました。自分を再確認したい方、自分のことを深く考えてみたい方にぜひ聞いていただきたいと思っています」。
>今後に向けて。
「私自身はもともと女性の社会的な位置付けに関心がありました。1995年9月、北京で開かれた『第4回世界女性会議』で女性の権利保障や地位向上を目指す『北京宣言』が採択され、社会全体の意識に変化が生まれたことをきっかけに同じ考えを持つ仲間も増えて、映画の上映会をしたりミニコミ誌を作るなどして男女共同参画に向けた活動をしました。やがて『この活動を続けたい』という思いが強くなり、当NPO法人の設立に結びついた経緯があります。
この10年は早かったですね。少しずつ良い変化が生まれている一方で、昨年度の日本のジェンダーギャップ指数(世界各国の男女平等の度合い)が144ヵ国中111位と過去最低の水準になり、女性の正規雇用が改善せず賃金格差も解消されていません。社会全体のことで難しい部分もありますが、課題と向き合ってこれからも活動を続けていきます。
悩みのある方、相談をしたい方は相談室専用電話(1018・836・7846)がありますので、安心してご連絡ください」。
1951年、男鹿市生まれ。2007年「NPO法人いきいきFネット秋田」の設立に参加。2009年、同NPO法人が「秋田県中央男女共同参画センター」(アトリオン6F)の指定管理を受託。同センターの運営を通じて、秋田の男女共同参画を推進しようと活動を続けている。