地域の自立と課題解決に取り組んでいる「元気ムラ」の活動を学び、生涯学習・社会教育を通じた地域活性化に役立てようとしている人たちがいます。

　県内各地における学びを生かした地域づくりの優れた実践事例を学ぶ「地域活性化研修」が、由利本荘市赤田地域で開催されました。（主催：県生涯学習センター）
　県内各市町村から参加した受講者は、赤田地域が「元気ムラ」として地域の自立と課題解決に取り組んでいる様子を学びました。

【石窯ピザづくり・交流】
　赤田地域では、高齢化と過疎化に強い危機感をもち、持続可能な地域づくりに積極的に取り組んできました。その一環として、拠点施設である東光館に隣接した場所に石窯を設置し、体験・交流の場として使用しています。研修受講者は、地元の食材を使ったピザづくりを体験しながら、赤田地域の方々との交流を深めました。家庭では難しい本格的な焼き上がりとなった美味しいピザにお腹も満足、話にも花が咲き、大いに交流が深まりました。

【元気ムラの活動紹介】
　 食事のあとは、赤田町内会の方々から、赤田地域の「元気ムラ」としての活動について紹介していただきました。持続可能な地域づくりのため、行政の補助金も積極的に活用しながら、石窯や直売所の設置、山菜ビジネスへの参加と加工所の設置、直売所に増設しての「お互い様スーパー」の設置など、地域の自立と住民の利便性を考えた取組を進めてきたとのことです。課題もありますが、住民同士相談し、知恵を出し合って進めてきているとのことでした。
　町内の詳しい活動は、各部会長からお話いただきました。加工所部会からは、山菜・総菜の加工と販売を県の「元気ムラ支援室」の協力で進めてきた経緯の紹介、人材育成・ガイド部会からは、地域の史跡案内の活動を紹介いただきました。ピザ・そば部会からは、石窯によるピザづくりの実績や苦労している点、スーパー・直売所部会からは、最近の販売状況について、リピーターも増え上向き傾向との説明がありました。受講者からは、山菜の加工・販売や、直売所の経営状況などについて具体的な質問も出され、関心の高さがうかがわれました。

【現地視察】
　研修の最後に、赤田町内の現地視察を行いました。直売所や加工所といった施設を見学させていただいたほか、長谷寺では有名な「赤田の大仏」を拝観しました。赤田神明社では宮司に案内していただき、神明社の神官と長谷寺の住職が、互いの祭典を行き来する全国的にも珍しい神仏習合の習慣について詳しく説明していただきました。
　独特の歴史・風土と、時代に合わせた新しい取組とが混在する「元気ムラ」赤田地域の姿に、学ぶことが多い一日となりました。