カヌーを楽しむ中で社会貢献活動をしている人たちがいます。「遊ばせてもらう川を大事にしたい。参加した方々がオールプラスになるような活動にしたい」と話しています。

＞ＮＰＯ法人秋田パドラーズ、舩山仁さんにお話を伺いました。


＞「パドラーズ」について教えてください。

「パドラーズ」とは、水辺で遊ぶ人とか、船を漕ぐ人という意味をもちます。
当会では、川にカヌー船体を浮かべ、パドル（水をかく道具）を操り、水面を行ったり来たりしながら川下りを楽しむスポーツである「カヌーイング」を楽しんでいます。そのために川を大事にし、自分の部屋を片付けるような気持ちで自然環境保護活動をしています。


＞活動を始めたきっかけを教えてください。

わたしは友達から勧められてカヌーを始めました。正直なところ誘われた時は億劫でしたが、あっという間にハマってしまいました（笑）。
１９９６（平成８）年から、雄物川を中心にカヌーの愛好者が集まり、カヌーイングを楽しんでいました。雄物川は自然豊かな川ですが、川の汚れやゴミの多さにも気付きました。自分たちが楽しませてもらっている場所は自分たちできれいにしようと思いゴミを拾い始めたのですが、数人では限界を感じました。
より多くの人々にカヌーの楽しさ、自然との共生することの大切さ、自然環境保護などについて伝え、共に活動していただくために、２００３（平成１５）年、ＮＰＯ法人秋田パドラーズを設立しました。


＞活動内容を教えてください。

カヌーイングを通した地域環境メニュー開発、川や町の環境整備、青少年の育成、生涯学習の場や機会の提供などを通して、すべての人々が健やかに暮らすことができる地域社会づくりに貢献することが活動の趣旨です。
平成２６年度は、親子カヌー、自然観察会、クリーンアップ、ゴミアート展、アウトドア教室（キャンプなど）、学校での体験活動支援、被災者支援など、主催・共催合わせて１００余りの事業を行い、多くの方に参加していただきました。
中心となって活動している会員がそれぞれ素晴らしい特技をもっていて、それぞれの事業でリーダー的存在として活躍してもらっています。それぞれの役割分担ができているので、わたしはあまり口を出す必要がありません（笑）。
ともすれば、活動そのものが命に関わるようなカヌーを楽しもうと公言している立場上、参加者に安心して活動に参加していただきたいので、指導者にカヌー資格講習を受講してもらうなど、安全対策には気を配っています。また、参加者の敷居が高くならないように、活動に必要な道具は会で準備させていただいています。
環境問題に関心の高い人もいますが、「みんなでクリーンアップをしましょう」だとなかなか人が集まりません。カヌーを楽しむ中でちょっと社会貢献をするそんな形が定着しつつあります。


＞今後やってみたいことを教えてください。

これからも「自然体」で活動していきたいです。今まで積み重ねてきたものを基に、新たなものを取り入れていければと考えています。
引退されてから何かに取り組んでみようとする方もおいでですが、その人たちの居場所になれればいいですね。パドラーズの活動は多岐にわたるので、必ず活躍できる場があるはずです。集まることを「趣味」にしていただくと嬉しいですね。