紹介内容や役職等は、掲載時のものであり、現在のものとは異なる場合があります。個別の内容、連絡先についての問合せには応じておりません。
詳しくは、本Webサイトのトップページをご覧ください。
トップページはこちらから
「鹿角民話の会どっとはらぇ」の語り部として、伝説・民話を方言で語り伝えている人がいます。自分らしさを生かしながら、聴いてくださる方が楽しかった、良かったと思えるような鹿角弁による語りをしたいと話しています。
山口 京子さん
鹿角民話の会どっとはらぇ
湯瀬温泉郷での語り
鹿角のむがしっこの集い
鹿角市生涯学習奨励員を務め、「鹿角民話の会どっとはらぇ」の会員である山口京子さんにお話をうかがってきました。
>山口さんが「鹿角民話の会どっとはらぇ」に入会されたきっかけを教えて下さい。
平成19年に、この会が一般市民向けに開催した講座がきっかけです。大館市から鹿角に嫁いできて、子育ても一段落し、何か自分を生かせるものを身に付けたいと考えて講座に参加しました。初め10人程だった参加者が次第に減っていって、5回目くらいには受講者が私1人になってしまいました。でも「ぎやねえなあ(さびしいなあ)」「つみつくた(わるいことをしてしんぱいだ)」など、独特の鹿角の言葉を身に付けたい気持ちもあって入会しました。
同年の秋に鹿角市で「あきたのむがしっこの集い」が開催された時に、「きつねが残したにしかやき」を語ったのがデビューです。その後、当時の会長であった高橋節夫先生に付いて湯瀬温泉郷に語りに行くようになり「だんぶり長者」伝説を1人で語れるようになりました。今でも湯瀬温泉郷では必ず最初に「だんぶり長者」を語ります。
>グループの活動概要を教えてください。
会員は現在男女合わせて13名です。活動は月に1度の定例会の他、年に3度「鹿角のむがしっこの集い」を鹿角市・小坂町内で開催しています。また、湯瀬温泉郷のホテルでの「鹿角昔語りの夕べ」(月・木・土)に会員当番制で鹿角弁による「昔っこ」を語っています。自治会や学校、各種団体等からの要請に対しても会員が出向いて語っています。
ちょうど、6月7日に第1回「鹿角のむがしっこの集い」を小坂町の中小路の館(旧工藤家)で開催します。また、10月10日には第2回を鹿角市花輪の市交流プラザ(MITプラザ)で開催しますので、たくさんの方々にお出でいただいて鹿角に伝わる伝説・民話の世界に浸っていただければと思っています。
私たちの会にはテーマ曲があって、これは鹿角市出身の作曲家、小田島樹人の「おもちゃのマーチ」の替え歌です。私は若い頃から唄が好きだったので、5年前に歌詞を代えて作りました。「鹿角のむがしっこの集い」ではいつも最初に全員で合唱します。
「どっとはらぇの街(まーち)」
1 むがしむがしで始まるよ 炉端で聞く人 しゃべる人
じさまもばさまも わらしっこも
語りっこ終われば どっとはらぇ
2 ある日ある時あるどごで きづねっこ てろんと化けだどしゃ
あんちゃもあねちゃも めらしっこも
びっくりどでんして どっとはらぇ
3 錦木塚に政子姫 だんぶり長者に吉祥姫
観音様には芦名姫
三姫伝説 どっとはらぇ
>今後の抱負を教えて下さい。
特に大きな目標というものはありませんが、聴いてくださる方が楽しかった、良かったと思えるような語りをしたいと常に思っています。ただ語るだけでなく、自分らしさを生かして手遊びや唄を交えながら、聴かれる方々がやわらかい気持ちでリラックスできるようにと心がけています。
ホテルで初めて1人で語ったときに、鹿角出身で若い頃に地元を離れた60代くらいの女性の方が目に涙を浮かべて聴いてくださったことがあり、語りの後、さまざまお話しさせていただきました。地元の言葉による昔話が、この方の心にさまざまなことを美しくよみがえらせたのでしょう。そのことが今の私の原点になっています。